Lan Oshiro Blog

大城蘭は現在、育児中につき活動は殆どお休みさせていただいております。 そんな中、このブログをご覧いただき誠に有難うございます。 このお休みの間に、今まで応援してくれた皆さんやお世話になった方々の事を思い浮かべながら これまでのアルバムの収録楽曲の思いやエピソードについて掲載していきたいと思います。 時々、歌う機会を頂いております。 2020年もどうぞよろしくお願い致します。

Diary

熊野 ~桜~ゆしやちる 

先日、鑑賞した能舞台 熊野

今思い出しても、浅井文義さんの見事な舞い、歌が記憶から離れません。
静の中に、本当に沢山の心のひだが映し出されているのです。
能とは、こんなに素晴らしいものだったのかと感動しました。
以下、公演の手引きから抜粋させていただきました。
国立能楽堂には、わかりやすい書籍の販売や、各席にせっちされている液晶モニターも
とても見易かったです☆

  
~遠江の国池田の宿の長の娘、熊野は今をときめく平宗盛に愛され、
長らく都にとどまっています。
侍女の朝顔がはるばる都に上がり、病の床に臥す老母の手紙を届けます。文字の乱れから
重態を悟った熊野は宗盛に帰郷の許しを乞います。
が、「命あるうち一目、娘に会いたい」と願う文面にも心を動かさぬ宗盛。
強引に熊野を伴い清水寺へ花見に出掛ける。
繁華を誇る都の春。
満開の桜の下で酒宴が始まります。
熊野は霊験あらたかな当寺の本尊観世音菩薩に祈りを籠めると、湿りがちな気を引き立てて宴席を取り持ち、
舞います。(中の舞い)  本当に素晴らしかったです。
にわかに降りかかる村雨。はらはらと散る桜花。
これを目にした熊野は死期迫る母を思う心を託し、
「いかにせん都の春も惜しけれど慣れし東の花や散るらん」と即吟。
宗盛に示します。

さすがの宗盛もこの歌に打たれ、帰国を許します。

清水の観音の功徳に感謝しつつその場から旅立ち、故郷への道を急ぐのでした。



なんともしなやかに、男の人にその思いを伝え、思う通りさせる。
この女性の気高さ、暖かさ、強さ!

素晴らしいです。


なんというか、女性らしいなあ、と感動しました。
(言葉足らずにて候。。。泣。。)


能楽堂をでて、桜花舞い散る桜並木を歩いていると、

沖縄の女流歌人の読んだ歌を思い出しました。


流りゆるみじにさくらばな浮きてぃ

ゆしやちる) 色美らさあてぃどう すくてぃんちゃる

(うるおぼえです~!どなたか詳しい方いらっしゃいましたら教えてください~)


宴席での歌遊びで、彼女はそう歌って返したそうです。


とっさにっこういった表現のできる、女性っていいなあサクラ

そんな女性になりたいものですチェリー










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この記事へのコメント
蘭ちゃん、こんばんわ。
熊野には、そんな物語があったんですか…?
時は源平合戦の頃、平宗盛だもんなー。
実際、舞台を観てないから何とも言えないんだけれど、蘭ちゃんの文面から、心の機微を如実に表現してる様が伝わって来ますね。
Posted by ちょこぼ at 2010年04月15日 04:38
おはようございます。
もしかして?と思いmixiのコミュを覘いてみたら能楽好きの集まりがありました。「そんなあなたはお能好き」「能面倶楽部」etc
ご無沙汰している図書館にも行って能楽に関する書物を開いて来ようと思います(と言っても家の前)
Posted by さいとー at 2010年04月15日 09:26
-茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る-(額田王)
万葉集にある余りにも有名な元カレの歌への返歌です。その彼の歌とは、
-紫草のにほへる妹を憎あらば人妻ゆゑにわれ恋めやも-(大海人皇子)
昔々の5月5日、男達は狩猟に女達は薬草摘みに興じた近江蒲生野の夜の酒宴でのこと。これ以上、恋歌にくだくだと説明は野暮というもの。対の歌を合わせて、史上最高の贈答歌、相聞歌と言われています。いつの世も女人の機智とシタタカさには脱帽ですね。
能ですが、奈良興福寺の薪能も素晴らしい!漆黒の闇に浮かぶ五重塔を背景にして演じられる薪能は、藤原一族の栄枯盛衰の物語を観るようです。
Posted by フルフル at 2010年04月15日 10:33
大丈夫、感動が十分伝わってきますよー(笑)。
能や歌舞伎観てみたい・・・落語も行きたいなあ。いつか、足を運んでみたいと思いました。
Posted by ありめー at 2010年04月15日 21:20
 
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プロフィール
おおしろらん
おおしろらん
沖縄県出身、米国人の父を持つ母と沖繩出身の父との間に生まれる。
音楽好きな両親、親戚に囲まれて、幼い頃から沖縄民謡やファド、ジャズなど両親の影響で様々な音楽を聴いて育ち、10台後半でドラム演奏や歌を始め、次第に音楽の道へ進む。
2008年、葉加瀬太郎主宰レーベル ハッツアンリミテッドよりアルバム「LAN」でデビュー。
同年、活躍が社会・文化などの各業界に多大な影響を与え、今後の活躍が期待されるクリエーターやアーティストに贈られる「第5回ベストデビュタント賞音楽部門」を受賞。
2009年に独立し、自主レーベル「GreatCastleMusic」を設立。2010年、故郷・沖繩に捧げる2ndアルバム、シリーズ第1弾「なちゅらん物語〜dedicated to Okiniawa〜」をリリース。世界中で愛され歌い継がれる名曲をウチナー言葉で歌う独自の表現が注目される。2011年、3rdアルバム、シリーズ第2弾「なちゅらん物語”If dreams come true"」をリリース。2015年、数々の名著で知られる天外伺朗が全て作詞作曲したアルバム「坊やに紡ぐ物語」を発表。「故郷、沖繩から世界へ」をコンセプトに沖繩の郷愁溢れる世界観を歌い伝え続けている。
現在は子育ての傍ら沖繩を拠点とし、カフェやリゾートホテル、イベント、福祉施設などでの活動を展開している。 profile photo by Tom Inagawa
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